大判例

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名古屋高等裁判所 昭和24年(控)1331号 判決 1950年3月03日

被告人

大山一郞こと

李一永

主文

原判決を破棄する。

被告人を懲役壹年及罰金參万円に処する。

右罰金を完納し得ない場合には、金百五拾円を壹日の割合で換算した期間、被告人を労役場に留置する。

当審に於て生じた訴訟費用は全部被告人の負担とする。

理由

職権を以て、原判決の法令適用の当否に付いて調査すると原判決は其の理由中に於て、被告人が(一)昭和二十四年三月九日頃賍物を故買した旨及(二)同年四月四日頃賍物を牙保した旨の各罪と爲すべき事実を夫々原判示第一、第二事実として認定して居る。然るに右は孰れも昭和二十三年十二月法律第二百五十一号罰金等臨時措置法の施行により、右各罪に付定められた罰金の額が変更された以降の犯行に属するが故に之が法令の適用に際つては、宜しく右罰金等臨時措置法中の関係法條をも適用しなければならなかつたのに拘らず、原判決の理由中法令の適用の部を観るも、原判決は事茲に出でていないのであり、從て斯の如きは法令の適用に誤があつて、其の誤が判決に影響を及ぼすことが明らかな場合に該当するものと謂わなければならぬ。

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